MICHAEL’S STORY

デザイナー マイケル･コースは、ニューヨークから３７マイル離れた町、ロングアイランドのメリックで育ちました。彼のファッションに対する鋭い目は幼い頃から明らかでした。彼が５歳のとき、母親のジョーンが再婚する結婚式のウェディングドレスのリボンを切るように彼はアドバイスし、実際に彼女はリボンを外したそうです。

１９７７年に高校を卒業したマイケルは、ニューヨークのファッション工科大学へと進みました。学校に通いながらウエスト５７番通りにある、当時流行のブティックLothar’sで働きはじめました。そこで、彼の才能はバーグドルフ・グッドマンのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるドーン・メロに注目されました。メロはマイケルが自身のコレクションをデザインする気があるなら彼女に連絡するよう伝えたのです。マイケルはこのチャンスを逃さず、１９８１年に彼自身のラインを正式に立ち上げました。彼は１９８４年に最初のランウェイショーを開催し、スーパーモデルのイマンがタートルネックと灰色のフランネルでランウェイに降臨しました。

華々しいスタートをきったマイケルは、グラマラスとエフォートレスを両立させたシックで豪華なスポーツウェアをデザインしました。着る人に自信を与えつつ、扱いやすい気軽さ。彼は女性がどのように暮らし、どのように服を感じたいかを理解しているデザイナーとしての評判を築き上げました。実用主義と洗練さを組み合わせる「オールアメリカン スポーツウェア」というマイケルのユニークなアプローチは、世界的に認知されていきました。

「人々はスポーツウェアをアメリカ独特のファッションだと思っているかもしれませんが、実際世界中の女性はセパレートのスタイルが大好きです。自分なりに組み合わせて着まわすことができるからです。」マイケルは言います。 「スポーツウェアの根底にあるクリエイティブな考え方は世界共通です。それは女性が毎日着ることができる優れた作品ということなのです。」

１９９７年から２００４年の間、マイケル･コースは自身のブランドビジネスを継続しながら、フランスの高級ブランド、セリーヌのクリエイティブ・ディレクターも務めました。それまでアメリカ人のデザイナーがフランスのブランドを率いたという前例はほとんど無かったため、彼が業界に与えたインパクトは非常に大きく、この指名は大変注目されました。マイケルはブランドの威光を回復させ、セリーヌをヨーロッパの主要なファッションハウスとして蘇らせたことで高く評価されることになりました。同じ時期に、彼はマイケル･コース メンズ（２００２年）とマイケル マイケル･コース（２００４年）を立ち上げました。

マイケルはグローバルなファッションブランドの運営を推し進めながらも、いちデザイナーとして何を恩返しできるかを、常に問い続けています。２５年以上にわたり、ニューヨーク市とその周辺で深刻な病気を抱えている人々に、栄養価の高い食事を提供する非営利団体であるGod’s Love We Deliverに対し情熱的な支援を行なってきました。２０１３年、マイケル･コースは国連の世界食糧計画（WFP）と提携して、世界の飢餓との闘いを支援する「ウォッチハンガーストップ」活動を始めました。現在までマイケル･コースはWFPを通して飢餓の子供たちに１７００万以上の食事を支援してきました。２０１５年、このデザイナーは国連世界食糧計画の飢餓問題に対するグローバルアンバサダーに選ばれました。